大好きな『おとぎ話の忘れ物』 [楽]
ソレイユの絵を描いてくれた樋上公実子さんの『おとぎ話の忘れ物』大好きです。
樋上公実子さんの絵にインスピレーションを得て、小川洋子さんが残酷で可憐な物語を紡いで
できあがった作品。
渋澤龍彦さんがご存命ならこの本を偏愛されたのではでしょうか。
本屋で表紙を見ただけで衝動買いしてしまいそうです。
小川洋子さんの文章に樋上公身子さんが挿絵を描いたのではありません。
樋上さんのノーブルで硬質な絵を縦糸に、小川さんの透明な文章を横糸に紡がれた『おとぎ話』は
冷たくて甘美なキャンディとなり、口にいれた人の心に残酷でなまめかしい味、エロティックな味、
美しく無垢な味となってしみこんでいくでしょう。
少女は暗闇の中の微かな光となり、清楚にまわりを照らします。
この本との出合いは6年ほど前、神戸のギャラリー島田で開催された樋上公実子展
『おとぎ話の忘れ物』の案内をいただいたことから始まります。
→ その時の個展の紹介はこちら
家族みんなで展覧会に行かせていただき、奥先生は昔の思い出話に、次女は嵐の話に盛りあがりました。
夏の間、毎日ソレイユとお散歩してたので私の顔は焦げてます
子どもたち3人には樋上公実子さんと小川洋子さんのサイン入りの本を購入しプレゼント
私は『冷たい毛皮』という絵をわけていただきました。
この絵は『おとぎ話の忘れ物』の中にも表紙の『サロメ』とならんで掲載されています。
少しエロティックな絵なので塾にはかざっていませんが、先日1日限定で教室に展示しました。
本物はこの写真の何倍も何倍もきれいで艶かしく素敵ですよ
以前ウフィツィ美術館でみた、ボッティチェリの『春』に描かれた草花が咲き誇る春の自然の中に戯れるヴィーナスや3美神が500年の時を超えてあまりにみずみずしく艶かしいことに驚いた記憶があります。
今はお家に連れて帰って、しばらくは箱入り娘です
みなさんも本屋さんで樋上公実子さんの『おとぎ話の忘れ物』を見つけたら、きっと触れててみたくなりますよ。
その場で少し本の扉をひらいた後は、お家に連れて帰って
ひとり現実の世界から離れ、大人のおとぎ話の世界に浸ってみてはいかがですか。
サハラ砂漠の『忘れ物図書室』にこの本が置かれていたらどんなにか素敵でしよう。
スワンキャンディをチャイに溶かして飲みましよう。
『冷たい毛皮』をご覧になりたい方はおっしゃってください。特別展示させていただきますよ。